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第194目 12月25日(月) はれ時々くもり |
小さな温もり
モンキーマンに見送られて出発。雄ノ山峠を越えて和歌山へ入る。
和歌山市の南、境内に3つの霊水が湧くことで有名な「紀三井寺」で今日最初の休憩を取る。参道の長い石段を登っているとその途中にチョロチョロと流れ落ちる、これが名水らしい。今日は風が強く、流れ落ちる水が霧状に舞い散る。どこかうら寂しい名水だった。
寺で参拝をしてから再びバイクに跨る。国道42号を南下、寒波が上陸するというので氷が張る前に山を越えたい、ハイペースでSLを走らせる。そろそろ給油と思うがどこも105円と高い。もう少し安いところがあるはず、と時期を延ばすがなかなか安いところがなくタンクの残量が厳しくなってくる。仕方がない…、諦めて105円のところで入れようかと思ったところ、絶妙なタイミングで「98円」の文字が飛び込んできた。これは安い!!。喜び勇んでスタンドへ飛び込んだ。大した金額(アクセス?)ではないが、残り少ないアクセスを大切にしなくては。特に最近は走行距離が長くなり、ガソリン代も高くなっているからな。
ところが…、走り出すと、何と次のスタンドには「95円」と書いてあるではないか。ああ、チクショウ、もう少し我慢すれば良かったと苦笑する。よくあることさ、アハハハハ…(涙)。先を急ぎたいのでどうしようか迷っていたが、このところ全く温泉に入っていなかったので白浜温泉に立ち寄ることにする。
海岸線に出ると風が強烈で、強い横風にハンドルを取られ危うく転びそうになった。できるだけ風の抵抗をなくそうと背中を丸めながら走る。無料の露天風呂「崎の湯」に到着。
ここは海岸にあるため風がもの凄い。波も高く荒れ狂っている。それでも気合いでお湯に飛び込む。氷が溶けるようにゆっくりと身体が温まって行く。温泉はやっぱり冬が一番いい。
脱いだパンツが風に飛ばされたので、大慌てで追いかける。ああやばかった。もう少しで濡れるところだった。雨雲が近づいてきたのでそろそろ上がることにしよう。何だか時間と天気に追われているようで落ち着かない。内陸へ向かう国道311号に入ると急激に気温が低くなった。冬用のグローブをしているのに切れるように手が冷たい。熊野古道、熊野詣へ向かう山越えの旅人のノドを潤したという「野中の清水」を訪ねる頃には日が大きく傾き、さらに冷え込んできた。一刻も早く山を降りなくては、大急ぎでバイクを走らせた。
「まいった…どうしよう…」
風が強いのでテントが張れない、かといってこの寒さでシュラフだけじゃきつい。どこか風が凌げる物陰はないかと探すが、暗いのでなかなか見つからない。道の駅は2つともダメ。公園もダメ。いよいよ行き場がなくなってきた。
他も探し回るがことごとく粉砕、寒さと風の二重攻撃はきつい。
ビジネスホテル一泊3000円の文字、こんな時、宿に飛び込めたらどんなに楽かと思う。温かい部屋でゴロンと横になって、テレビでも眺めながらみかんを摘めたら、もう最高に幸せだろうな…。同じ世界にいるのに、そんな風景が別世界の事のように思えた。家の窓からこぼれ落ちる温かな明かりが、オレの胸を締め付ける。9時過ぎ、防波堤を抜けて海岸へ出る。小石の浜は防波堤が風を遮っているため意外や風が弱かった。海岸は絶対に無理だと思っていたが、ここならテントが張れる、と思い大急ぎで荷物を解いた。
お湯を沸かしラーメンを食べると、パソコンを開く気力もなくそのままシュラフにくるまる。
「ああ、温かい…」
自分の体温でシュラフの中が少しずつ温かくなってくる。小さな幸せを感じながら、眠りについた。
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■走行距離/311km ■総走行距離/24,367km
■宿泊地/海岸<三重県熊野市>
(N 33° 53′11″ E 136° 06′26″)■食事 朝 トースト コーヒー 昼 牛乳パイ 紅茶 夜 インスタントラーメン ■今日の入金額/1,134円 ■今日の出費/1,152円 ■総残額/現金3,216円 クオカード&ギフトカード726円