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第192目 12月23日(土) はれのちくもり時々雨 |
人を感じる旅
朝5時起床。外はまだ暗い。真夜中のようなテントの中で、ヘッドライトの明かりを灯し日記を書き始める。昨晩よりさらに指が冷たく感じる。寒さ対策と思い手袋をはめてみるが、キーが小さいのでどうしても同時にふたつ押してしまう。アララララ…、やっぱり無理だったかと苦笑い。これは気合いで耐えるしかなさそうだ。
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「なにい〜っ!!」
空が白々と明ける頃にようやく日記を書き終え、ファスナーを開けると、いつもはしなやかなフライがドアのように開いた。
おおおっ、何と、テントがガジガジに凍っているではないか。さぶっ。思わず震え上がった。バイクを見るとシートも、サイドバックも、クラウザーのケースも、驚いたことにタイヤまで…。何もかもが無惨に凍り付いていた。海岸線でこれなら、山側は強烈な寒さだったに違いない、山には入らなくて良かった…。
この旅一番の冷え込みだった。
運悪く日陰に張っていたので、溶けるのを待って出発する。福山市内に入り電話ボックスからメールを送っていると、小豆島で会った蜂谷君から電話が入った。そういえば彼は岡山に住んでいるんだっけ。「今日市内を通るなら案内しますよ」と言ってくれたので、喜んでお願いする。
岡山を抜けるバイパスを走っていると路肩で手を振る人が目に飛び込んだ、蜂谷君だ、慌ててブレーキを握り路肩にバイクを止める。小豆島以来、約2ヶ月ぶりの再会となった。
少し立ち話をしてから一緒に名水「雄町の冷泉」へ向かう。大きな市街地を抜けるとき、いつもなら地図を片手に七苦八苦するところが、今日は地の利がある蜂谷君が先導してくれるので楽々。着いたところは…、何というか、ただの水汲み公園だった。
整備された小さな公園の中に常時水が流れている口が4つ。絶え間なく水汲みの人が往来している。これまでの名水と違って情緒というものが全く感じられない。ここまで「名水」を「無料のおいしい飲料水」と割り切っているところも珍しい。これが名水の現状、この方が逆に気持ちがいい気もする。
名水でつくるインスタントラーメンはおいしかった。特別手を加えたわけでもないのに水が違うだけで随分味が違う、やっぱり食べ物の基本は「水」なんだなと改めて思う。蜂谷君のビックバイクとしばらくランデブー走行。東へと向かう。
何だろう…、やけに眠い。睡眠は十分のはずなのに、おかしいなぁ…。ううっ、やばい、センターラインが何でこんなところに!? 慌てて体勢を立て直す、がすぐにまたウトウト…。一息入れたいところだが休めそうなところが見つからない。
トンネルを抜けたところでやっとパーキングを発見、ブレーキランプを点す。
「左右にユラユラしてるんで、風に煽られてるのかと思ったんですけど風もないし…、おかしいなと思ったんですよ」
後ろの蜂谷君も心配をかけてしまった。話をしながら写真など撮っていると徐々に目が冴えてきた。
走り出すと周りの風景がさっきとは別世界のように鮮やかに見える。これでもう大丈夫だろう、ああ良かった。兵庫県に入る。
100名水に指定されている「千種川」の土手に降りて、川を覗くと無数の小魚がウヨウヨ泳いでいた。川でこんなにたくさんの魚が泳いでいるのを見たのは初めて。すぐ上流で河川の工事をしているので水の透明度は低いが、それでもこれだけの魚がいるのだから、豊かな川なのだろう。蜂谷君とふたり、川を覗いては子供のように歓声を上げた。蜂谷君とはここでお別れ。「最後の最後までまで気を抜かないで、無事ゴールしてくださいね」と何度も何度も念を押される。やけに心配をするなと思ったら、実は数年前、蜂谷君の彼女が四輪で帰宅の途中、家まで後100mというところでハンドル操作を誤り不幸にも事故で亡くなったと言う。
そうだったのか…知らなかった。これで心配をしてくれる理由が分かった。有り難いことだ。
蜂谷君の言葉をしっかりと胸に刻み込み、ハンドルを握った。最後まで気を引き締めて行こう。その後は神戸の寛大なるサポーター「ボス」さん宅で開かれる「インターネットジャーニー関西忘年会」に参加するため、ひたすら神戸を目指す。
以前から23日にインターネットジャーニーで知り合った仲間達と忘年会をするので、もし予定が合うようなら来て下さいとメールをもらっていたが、日程からすると無理そうだった。ところが、関西へ近づくにつれて徐々にタイミングが合って行き、運命か偶然かはたまた必然だったのか、嬉しいことに参加できることになった。
姫路辺りからパラパラと雨が降り始める。またしても雨か…、これでまた「雨男」と言われそうだ。
7時過ぎに到着。住所を知っていたので人に一回聞いただけで辿り着いた。
バイクを庭へ入れるとボスさんらしき人が出てきた。
「初めまして!!」
想像していたよりも若いのでまずビックリ。そしてさらにまるで旅館のように大きな家にビックリした。22人も泊まると言っているけど大丈夫なのか?と思ったがこれで納得。![]()
ほとんどが関西キャンプで会った面々、知った顔ばかりだった。それからは飲めや歌えの大宴会。文章力に乏しいオレには表現できないすごい状況になった。
インターネットジャーニーをきっかけにできた人と人の繋がり、楽しい仲間とこんな風に過ごせることが、
この旅の収穫であり大きな喜びでもある。
オレの旅は残り僅かとなったが、ジャーニーで生まれた仲間との繋がりは今始まったばかり。
この旅には本当にたくさんの人達が関わっている。人を感じる旅、それがインターネットジャーニーなのかもしれない。
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■走行距離/247km ■総走行距離/23,977km
■宿泊地/サポーターボスさん宅<兵庫県神戸市>
(N 34° 38′--″ E 135° 07′--″)■食事 朝 食パン ジャム 昼 ラーメン 肉まん 夜 何だかんだ、色々 ■今日の入金額/1,008円 ■今日の出費/現金807円 カード92円 ■総残額/現金1,904円 クオカード&ギフトカード726円