|
第187目 12月18日(月) くもりのち雨 |
結婚記念日
隊長には色々とお世話になった。
5年ぶり、突然の再訪にも関わらず昔と変わらない笑顔でオレを包んでくれた。それが何よりも嬉しかった。15年前、北海道で同じ時間を共有した旅仲間というだけで他には何もないオレ達の関係、でもそれだけで十分に心が通じ合える。オレ達の間に多くの言葉は必要なかった。それはお互いがあの雨の冷たさ風の厳しさを知っているから、旅の喜びと淋しさを知っているから…。旅の仲間はいいものだ。
隊長と山本君が道の分かるところまで車で先導してくれた。10号線に出ると車を降り、隊長の手を強く握り固い握手をした。何か話そうとするが言葉が見つからない。そして、隊長の顔を見ているとまたも目頭が熱くなってきた。何だか最近は涙腺が弱い。とにかく隊長と真由美さん、そしてオレ達の間を取り持ってくれた山本君、3人と出会い、時を共有できて幸せだった。心からそう思えた瞬間だった。
辛い別れだが、元気でいればまたいつか会えるだろう。大きく手を振りながら何度も何度も振り返った。振り返る度にふたりの姿が小さくなって行く、名残惜しい別れだった。
「ありがとう…」
「あれっ!?、あのグリーンの収納ケースのバイクは、もしかして…」
キキキキキーッ!!
慌てて急ブレーキをかけて路肩に止まった。前方から見覚えのあるバイクが走ってきた。
出発前や東北・関西キャンプ、長野で会った日本一周のPOPEYEさんだ。こんなところで会うとは、何という偶然だろう。
フェリーで今朝、宮崎に到着。これから鹿児島へ行き午後2時のフェリーで種子島へ渡るところだと言う。それから屋久島を回り、来月の中旬から沖縄へ。沖縄で冬を越して、来春走り残した四国を回る予定らしい。
これから沖縄とは何とも羨ましい。一年計画の日本一周ならば隅々まで回ることができるだろう、話しながらマイペースで自分流に旅を楽しんでいるのが分かった。
コンビニの駐車場でしばらくおしゃべりをしてそれぞれの方向へ向かう。道中で会うのはこれが最後になるだろう。POPEYEさんもこの旅が終えたら、きっと一回り大きな人間になっていると思う。次はいつどこでどんな風に再会するか分からないが、その時が楽しみだ。「えええっ!?3時まで待つんですか…」
その場で絶句した。只今の時刻は2時15分、四国の悪夢が蘇る(そんな、オーバーな…)またしても道路工事のため道路閉鎖。後45分はこの道を通れないと言う。途中で見かけた道路工事の時刻表板には布がかかっていたので、てっきり中止だと思っていたのに…。
今日は一気にripapaさんのいる大分まで走る予定が…、狂ってしまった。
時間ができたので名水「綾川涌水群」の近くにある、世界一の高さを誇る吊り橋を写真に撮ったり、冬景色の山を撮ったりして時間を潰した。
何事も予定通りに行かないのが旅。とにかく今夜中にripapaさん宅に辿り着きたい、ripapaさんに再会できることだけを考えながら、ひたすら国道10号線を北上する。
地図で距離計算せずに走ってきたとはいえ、170kmほど走ったところで、大分まで160km以上という標識が出たときにはビックリした。
「なんだ、まだそんなにあるのか、アハハハハ…」
大分がそんなに遠いとは知らなかった。距離感が完全に麻痺している。まあいい、別に何が逃げるという訳じゃないし…。しかし、ripapaさんにだけにはかなり遅くなりそうだと電話を入れておく。
何て、しつこい雨だろう。
パラパラ、シトシト、ザーザー、バチバチ、と表情は変えるものの全く止む気配がない。昨日の天気予報では晴れると言っていたのに…。これまで「明日は晴れる」「明日は回復する」と何度聞いたことか。その度に裏切られて、オレはもう開き直った、ヒョウでも雪でも槍でも隕石でも、何でも降ってこい、受け止めてやる。
「そうさ、オレは雨男さ!!」
前回と同じくずぶ濡れでripapaさんの家に到着。家の明かりが見えたときは、「ああ、もう走らなくていいんだ…」とホッとした。そして、満面の笑顔のripapaさんを見て肩の力が抜けた。そしてお風呂に浸かると全身の疲れがドッと溶けていった。
「う〜う、幸せ」
やっとここまで来たんだなという実感が湧いてくる。
下へ降りレストランへ行くと、テーブルにケーキが!!何と、ripapaさん夫婦が今日のオレの「結婚記念日」ために作ってくれたと言うではないか(92年12月18日に結婚、今日が9回目の結婚記念日)。
こんなことは予想もしていなかったのでビックリ、というか大感激。ひとりで結婚記念日というのは、少しおかしい気もするが…、小さいことは気にしない。最高のプレゼントだった。
「ripapaさんrimamaさん、ありがとうございます!!」
他にもジャーニーを見ている人や、普通のお客さんも残っていてくれて、楽しい時間を過ごすことができた。頑張って走ってきて良かった。夜はripapa夫婦と3人で夜遅くまでいろんな話をした。
今では信じられないがripapaさんの体重が55kgだった頃の話や、奥さんと結婚するまでは凄くマメだったことなど、楽しい話ばかりだった。結婚30年目にしてripapaさんの女関係がバレて、重い空気が流れたりもしたが(笑)。でも、さすが結婚して30年も経っていることはある、全てが笑い話になってしまった。(オレが寝てから後のことは分からないが…)
オレ達もripapaさん夫婦みたいになれたらいいな。温かな気持で眠りについた。
前日の旅日記を読む 翌日の旅日記を読む
■走行距離/339km ■総走行距離/22,949km
■宿泊地/サポーター芳嶋さん宅<大分県大分市> ■食事 朝 和朝食 昼 夜 うどん ミート ケーキ他 ■今日の入金額/1,301円 ■今日の出費/現金908円 カード900円 ■総残額/現金−714円 クオカード&ギフトカード818円