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第180目 12月11日(月) くもり時々雨 |
史上最悪の船の旅
オジイの淋しそうな視線に見送られ、民宿を後にする。特に何があるという訳ではないのだが、のんびりとした良いところだった。いつかまた、オジイが元気なうちに来てみたいな。
林君と宿で友達になった青年と3人で8時発のバスに乗り込み、港へ向かった。10分ほどで港に到着。出港時刻の10時まで、まだ2時間近くもある。
…しかし、気が重い。
その理由は何といってもこの天気にある。昨日の夕方までは気持良いくらい青空が広がっていたのに、日が沈むと同時に雲行きが怪しくなり、今朝は一転して雨模様で強風まで吹き荒れている。港から海を見ると白い波を激しく巻き上げ、荒れ狂っているのが手に取るように分かった。
「おおおっ、これは揺れるぞ〜」
誰からともなく声が上がる。これから船に乗るというのに…、なんて運が悪いんだ。
出港の少し前に与那国島で出会ったライダーが見送りに来てくれた。元気に手を振り、出港したまでは良かったが、20分も過ぎるともう甲板に立っていることが出来なかった。とにかく揺れるの何の、ハンパじゃない。右左前後、もうメチャクチャに動き回る。うねりに乗り上げ、船体が一気に上がったと思えば、まるでジェットコースターのように船体がスッと下がる。それはロデオの馬のごとく、船から降り落とさんばかりに揺れた。
「ケッ、シケてるなぁ」
船員が苦い顔で呟く。
30分も経たないうちに林君がトイレに駆け込んだ。
アハハハハ…もうやばいのか、しょうがないなぁ…オレはこれまで何十回と船旅をしてきたが酔って吐いたことは一度もないんだぞ。乗り物には滅法強いんだ…ンンン…これまで一度も吐いたことは…、あれっ?、ウソ、あっヤバイ、うわぁぁぁ気持ち悪くなってきた。
船酔いはしないと思っていたオレも、あまりの激しさについにダウン。ヘナヘナと床へ座り込んだ。それほど激しい揺れだった。
「ううううっ…きつい…気持ち悪〜い、うげっ…」
ザップーン、ドドドドーン!!ガタガタガタ…ギギギギギ…
激しい音を立てて、何度も船が大きく傾く。水飛沫で窓の外が見えなくなった。さっきまで立っていたデッキは水びだし、波の飛沫が渦を巻いている。とんでもない状態だ。
何の音だろう?大波が船体に当たると同時に鉄が擦れるような音が床から響いてくる。このままひっくり返って沈没するんじゃないか、というくらい揺れる。床に横になると死んだように動かなかった。いや、動けなかった。
船が沈まないことと、一秒でも早く石垣に着いてくれることをひたすら祈った。
トイレに行ろうとしたがカギが閉まっていて入れない。ううっ、洩れそう…。そういえば林君、もう3時間以上もトイレに入ったままだけど、大丈夫かな?。
床にへばり付くこと4時間30分。耐えること4時間30分。祈ること4時間30分、ようやく本当にようやく石垣港に辿り着いた。
「やったぁ、ついた…石垣についたぞ!!」
心からホッとする。それはまるで「船上」ならぬ「戦場」から帰ってきたような気分だった。長い船旅だった…。
行きは良い良い、帰りは怖い。行きと帰りはまさに「天国と地獄」であった。4時間半に及ぶ船の旅、オレにとって史上最悪の船の旅はようやく幕を閉じた。
「チクショウ!!船の旅なんて二度としないぞ!!」
と叫んだ。
でもまだ石垣から鹿児島まで30時間以上もの船旅が残っているんだけどね、アハハハハハ…。あ〜あ。夜はみんなでカレーライス大会。このところ「ごはん」を食べていなかったので、胃袋がはち切れんばかりに思い切り食べた。明日は石垣を出る予定、他にも明日から別の島へ移動する人が多いので住所交換をしておく。
米原キャンプ場は場所もいいし、仲間もいい奴ばかりだった、離れがたいがそれが旅だから仕方がない。みんなが無事に旅が続けられることを祈ろう。
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■走行距離/0km ■総走行距離/22,152km
■宿泊地/米原キャンプ場<沖縄県石垣市>
(N 24° 27′05″ E 124° 11′22″)■食事 朝 オニギリ 昼 食パン ジャム 夜 カレーライス ■今日の入金額/1,901円 ■今日の出費/現金710円 ■総残額/現金23,333円 クオカード&ギフトカード4,558円