実践編

走る

 日帰りや一泊二日ぐらいなら少々無理な走りもできるが、日本一周のように長距離のツーリングの場合はそうもいかない。できれば一日の走行を8時間以内に押さえ、その日の疲れを翌日に残さないよう、自分なりの旅のリズムや走りのペースを作ることが大切だ。が、走り始めて一週間くらいでなんとなくペースは出来てくるので心配はいらない。
 ボクは一日の走行距離の目安を約200kmにしていたが、中型バイクならもう少し走れるだろう。しかし、これも個人差があるので一概に何kmがベストとは言えない。それより「疲れたな」と思ったら休憩を取り、目的地の手前でも早めに宿に入る、といった心のゆとりを持つことが大切だ。いつも100%の全力疾走ではなく、気持ちとしては60〜70%程度に押さえた走りが、イザという時の心の余裕につながるのである。
 雨の日は気が重い。雨の日はとにかく視界が悪くなり、路面も滑りやすくなるので、路地からの飛び出しやマンホールの滑りには十分に注意しよう。夜になると状況はさらに悪化するので、できる限り雨の日の夜間走行は控えよう。

食べる

 旅の楽しみは「食」にあるといっていい。北海道のとうもろこし、四国のうどん、大阪のたこ焼き、九州のラーメンなど食べ物でその土地を思い出すこともあるくらい「食」との出会いは忘れられない。例えばとうもろこしは富良野などで激安で手に入るし、四国では讃岐うどんがとても安く買えるのでお金をかけなくても、以外といろんなものが食べられる。
 自炊をする人は土地によって安く手に入る食材があるので、スーパーや市場を歩き、地元の人にお勧めを聞いて食材を決めよう。
 また、しょうゆ、ソース、塩、こしょうなどの調味料を持って行けば自分の好みの味付けができ、料理の楽しみはさらに広がるだろう。それらはキャップが閉まる容器の商品を選ぶか、フィルムケースなどに入れておけばこぼれる心配もない。そして、米は2kgサイズが手頃で持ち運びにも便利。自分で料理をすればまずくても誰にも文句は言えないが、外で食べると不思議においしく感じるから何の心配もいらない。
 もし、安く買って食べたいなら閉店間際のスーパーに飛び込もう。この時間になると売れ残ったお弁当や総菜類が大幅に値引きされるからだ。その他、ほかほか弁当のメニューも地方によって特色があるので食べ比べもおもしろい。
 外食ならどこで食べても同じ味のチェーン店は避けて、地元の人に人気のある店や国道沿いなら長距離トラックがたくさん止まっている食堂に入ってみよう。そんな店ならきっと安くておいしい食事が食べられるはずだ。

眠る

 宿探しはまずサイフと相談から、一日一万円以上使える人を別にすれば、ビジネスホテル、民宿、ユースホステル、ライダーハウスなどが選択範囲になる。
 ビジネスホテルは駅の周辺にあり見つけやすく便利だが、料金がシングルで6,000円前後と少し高め、疲れがたまった時やひとりでゆっくり過ごしたい時などに泊まるといいだろう。
 民宿は一泊二食付きで5,000〜6,000円。ビジネスホテルとほぼ同じ料金だが、食事が付いている。観光地や海辺の民宿はシーズンオフは休みのところが多く、突然の客は断られることもあるので事前に観光案内所か電話で確認した方が確実に泊まれる。また、交渉次第で値引きしてくれることもあるので直接相談してみるといい。特に北海道には安くてユニークな民宿(刺身食べ放題の宿など)がたくさんあるので、ぜひ泊まってみよう。
 ユースホステル(YH)とは若い旅行者が安全に楽しく、経済的に宿泊できるようにつくられた宿泊施設のことで、日本全国約350ヶ所に点在している。基本的に会員以外は宿泊できないが、入会は各都道府県のYH協会、入会受付所、または主なYHに直接、身分証明(免許証など)を持って行き、登録費を払えば簡単に入会できる。年齢制限はない。YHの部屋はドミトリー式(相部屋)なので始めは戸惑うかもしれないが、部屋を同じにすることで自然に会話も生まれて友達もできるので、旅行者の絶好のコミュニケーションの場になっている。
 ライダーハウスは文字通りライダーなどの旅行者を無料もしくは安い料金で宿泊させてくれる簡易宿泊所のことで、そのほんどが地元の人達の厚意で建てられている。北海道にはライダーハウスだけに泊まりながら一周できるほどたくさんあり、シュラフひとつで気軽に泊まれることもあって多くのツーリングライダーが使用している。営利目的ではないところが多いので、ルールをきちんと守り、管理人や地元の人に迷惑をかけないようにしたい。
 次にキャンプ場だが、管理されたキャンプ場は海岸線や河原に多いので、海沿いや川沿いの道を走っていると見つけやすい。しかしキャンプ場といっても無料で泊まれる空き地のようなところもあれば、水洗トイレや温水シャワーの整ったオートキャンプ場までいろいろな種類がある。基本的にはどこでも泊まれるが、最近出来た「オートキャンプ場」は要注意。なぜなら料金がファミリー向けのため一区画4,000〜5,000円と高額に設定されているからだ。ひとり旅のライダーにはかなり割高になるので避けた方がいい。また、途中で出会ったライダーにどこのキャンプ場に泊まったとか、どこが良かったか、聞くというのも情報を得るひつつの方法だろう。口コミ情報は信頼性が高い。
 キャンプ場以外でテントを張る場合もやはり海岸や河原、山奥の林道周辺などが空き地が多く、テントが張りやすい。当たり前だが人の迷惑になる場所には絶対に張らないようにしよう。
 テントを張るなら地面がフラットで、見晴らしが良く、一目につきにくい所が最高だが、そう簡単に都合の良い場所は見つからない。それでも毎日キャンプ地探しをしていると、自然と周りの空気や雰囲気でこの先にいい場所がありそうだ、と直感で分かるようになる。暗くなるとキャンプ地が見つけにくいうえに周りの状況も把握できないので、明るいうちにキャンプ地を確保しておこう。

楽しむ

 有名観光地を訪れるなら平日の午前中が狙い目。週末や祝日は人出が多くせっかくの素晴らしい風景や雰囲気がぶち壊しになってしまうことが多いからだ。
 また、観光地はなぜかどこもお土産屋や露店などが軒を並べ、金を使うようにできている。できれば同じモノなのに名前(地名)が違うだけのお土産はやめて、きれいな絵はがきに近況を書いて友達や家族に送った方が記念に残るし、喜ばれるのでお薦めする。


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