7月7日(金) 留萌・神居岩キャンプ場にて

 夕方6時頃キャンプ場で夕食をとっていると、一人のライダーに声をかけられた。この場所が本当にキャンプ場なのかという確認のためである。それほどこのキャンプ場はテントサイトが傾斜地ばかりで、実際にテントを張れる場所が少なかった。そのライダーはとても謙虚な感じがして、好感が持てた。年齢は不詳、髪は割と長めで、口ひげ、顎ひげをびっしりと生やしており、顔のうち、毛で覆われた部分と肌の露出した部分のどちらが多いか分からない。
 その時、この人とは以前会ったことはないが知っている人物だと気づいた。ひげ面、やさしそうな目、ツーリングライダー…… あっ、藤原寛一さんだ!! そう言えばこの時期、1アクセス1円の『インターネットジャーニー』で日本を回っているはずだ。
 急いで傾斜を登って彼の所へ行くと、両側には『http://kanichi.com』と書かれ、後ろにはインターネットジャーニーのステッカーが貼られたクラウザーのケースが付いたホンダSLが停まっていた。

 その夜は寛一さんに個人的なことをいくつかお聞きした。
 ぼくはいつか海外ツーリングをしたいと思っていたので、カルネの取り方について聞き、寛一さんは何故50ccという小さなバイクで世界を回るようになったか話してくれた。けっして自分からしゃべるようなタイプの男ではないけれど、聞かれたことに対しては、真剣に、ゆっくり話してくれる。
 拳ひとつぐらいの大きさのエンジンしか持たないバイクで世界中回ってしまう男とは、こんなにも謙虚なのだという印象を持った。

 翌日もまた天塩のキャンプ場で一緒になったのだが、我々ライダーが宴会でドンチャン騒ぎをしている中、寛一さんはほとんど酒も飲まず、しかし穏やかな表情で輪の中に入っていた。
 すかさずジプシー高野からつっこみが入る(女性ライダーに向かって)
「精力的で若いチャリダーと、物静かに酒を飲むヒゲ面の男、どっちが良い?」

 この次の日(7月9日天塩)もそうでしたが、寛一さんは午前中ほとんどパソコンに向かいっぱなしのようです。よく晴れた、気持ちの良い日だったのでキャンパーは皆思い思いに楽しんでいるのですが、ひとり狭いライダーハウスの中で一生懸命キーをたたいていました。毎日HPを更新しながらの旅は、想像する以上にハードなものなのでしょう。そして、寛一さんだからこそできるころなのかもしれません。

東京都八王子市在住 常田 高司さんより